小説の「何者」を読みました。
読もうとしたきっかけは、米津玄師さんの歌「NANIMONO」のジャケットをマジマジと見て鳥肌が立ったから。
アルバムジャケットはただの水色のタイルみたいなのに、よく見ると…
#やりがいのある仕事#世界を変えたい#日本を元気に#内定がもらえない#好印象メイク#就職浪人#自己分析#学歴フィルタ#集団面接#学生時代で最も頑張ったこと#エントリーシート
そんな文字がびっしりと書かれています。
鳥肌。
で、色々調べてたらNANIMONOは映画の主題歌であるらしいと。
で、映画を見るのはめんどくさいので原作を読もうと。
そういう流れでアマゾンkindleで即購入しました。
感想(ネタバレ無し)
怖かった。
怖いといってもホラー的な怖さではない。
スマホとか、就活とか本当に自分が経験してきたからなのか、
そのリアルさが凄かった。
そして人間の表裏を上手く描いていて…
怖かった。
話はとても読みやすかった。
最初はなんか最近の小説って感じだなと思って読み始めたが、
ストーリーに引き込まれ、働きながらでも3日で読み終わった。休憩中も思わず続きが気になって読むレベルだった。
風景描写がとてもきれいだった。
よくこんなさりげない事を綺麗に表現できるなと感心してしまうくらい。そしてその風景が本当に自分の目の前に広がっているように感じた。
明るい話かと言われたらそうではない。
どちらかと言うと私なんかは読んだ後に動悸がするような。槍で痛いところを刺されたかのような。そんな話だった。
怖かった。(←何回言うねん)
お勧めです。
感想(ネタバレ付)
タイトルの回収が本当に素晴らしかったわ…
そしてクライマックスまでのスピード感。
主人公が就活二年目と判明した時は「えっ…」となった。
その時まで自分は完全に主人公目線だった。
主人公と同じように理香とか隆良を何となく「イタイ」と思っていた。
それが一気にひっくり返された。
「本当にイタかったのは誰だ」
そんな風に思った。
主人公の行動や考え方は確かに誰もが、つい、やってしまう事だと思う。
ついつい自分自身を重ねてしまった。
けどそれを鋭く見事に小説として書き上げてあった事に戦慄を覚えた。
あと自分的に恋愛的要素が意外と少なかったのも読んでいてよかった。
これで主人公と瑞月が付き合うことになりましたとか、主人公が二度も振られた瑞月を慰めてベッドシーン…なんてなっていたら自分は幻滅するところでした(笑)
それも含めてめちゃくちゃよかった。
凄い作品だと思いました。ほんと。
素晴らしかった。